賃貸の退去費用(原状回復費用・敷金)と立会のサイン

2019年11月20日生活

だいぶ暖かくなってきましたね。
うちのネコ様もそろそろ出勤させないといけません。

敷金返還・原状回復費用と立会時のサイン

今年はいろいろあって引越業者を見つけるのも大変なようです。
そしてこの時期によくあるのが敷金関係のトラブル。
立会時のサインに絞った短い記事となります。

敷金を返してくれない

入居時に敷金を差し入れているのに返してくれないばかりか、追加で費用を請求されるといった相談があります。

敷金や原状回復の概要については次のページに記載してありますので、そちらをご参考下さい。
ここの記事では、いわゆる立会時のサインなどについてとなります。

退去時の立会とサイン

借りている物件を明け渡すときに立会をするケースは多いです。
そしてそのときに、たしかに引き渡しましたよというサインとセットで原状回復の費用についても内容に同意しましたと書かれていたとします。

しかし、改めて考えてみると原状回復費用について負担する必要のない項目まで負担させられていたときにどうなるのでしょうか。
同意のサインがあるから泣き寝入りするしかないのでしょうか。

勝手に敷金から差し引いてはいけない

借りている人が立会確認書に署名したけれども、自然損耗・通常使用に必然的に伴う損耗は敷金から控除できないという判例があります。(福知山簡易裁判所判決 平15.4.4・国土交通省ガイドライン P.59)

つまり、仮に立会のときに退去費用の同意が含まれているサインしていたとしても、借りている人が負担する必要のない項目については、支払う必要はありません。
ガイドラインに沿って計算した結果、敷金が戻ってくるのであれば返してくれと言うことができます。

まとめ

立会したうえで確認書にサインしなければいけないといったケースをよく見かけます。
そして、そこに原状回復費用についての同意も含まれていることが多いです。

こうしたときに、同意書にサインしているからと諦める必要はありません。
退去費用などについて疑問点があれば、弁護士または司法書士にご相談ください。
当事務所においては、交渉の代理だけではなく引き直し計算書というサービスもあります。

また、ご自身で敷金を取り戻すためのマニュアルも執筆しました。
こちらには、内容証明郵便の記載方法から、少額訴訟、そして口座の差し押さえといった少額訴訟債権執行まで、ひな形などを収録しています。