請求したいけれども
会社に残ったまま残業代を請求すると気まずいといったことはないでしょうか。
そんなことをしたらパワハラや嫌がらせを受けるかもしれないといった不安を抱いてしまうこともあるかと思います(私も昔はサラリーマンでした)。
しかし転職が決まってしまえばこっちのもの。しっかり請求して損はありません。
当然、在職中でも請求する権利はあるわけですから、転職前に請求することもできます。
退勤時刻の証拠
残業代を請求して素直に支払ってくれる会社であればいいのですが、そういった会社の方が少ないのではないでしょうか。
そうなると必然的に交渉、ときには訴訟にまで発展してしまいます。
そして争いになった時には証拠がなければ主張も通りにくいです。
ご用意いただきたい書類
- 就業規則
- 雇用契約書
- タイムカードのコピー(難しい場合は携帯などで撮影)
- 給与明細書
既に手元にあるに越したことはないのですが、そうはいっても会社に要求してしまうと、悟られてしまい証拠隠滅されてしまうかもしれません。
このような場合は、別の方法で証拠を確保する必要があります。
サービス残業
いわゆるサービス残業を強いられている方は、タイムカードの記録と違うことになるため、別の客観的証拠を集めておく必要があります。
証拠の力としてはタイムカードに劣るところはありますが、証拠を積み上げていくことにより、裁判官に対してタイムカードの記録と違うと認定してもらわなければなりません。
証拠の一例
- 提出する業務日報
残業時間中の業務内容が判る資料となります。コピーをとるか、それが難しいのであれば携帯(スマートフォン等)で撮影する
- パソコンのログアウト記録
- 会社のパソコンからのメール送信
出勤時に会社のPCで出勤報告メールを送信
退勤時にも会社のPCで退勤メールを送信
残業時間中に送信した業務用メールの履歴
- 防犯カメラの映像
- 管理人の方の証言や入退出の記録
セキュリティーの関係上、個人IDなどで入退出の記録が残るもの
- 残業していることを上司が認識していることを証するような資料
上司などからの残業指示書や指示メール、指示を走り書きしたメモ、残業中に受信したメールに対する返信メールなど
- GPSアプリ
スマートフォンアプリとしてGPSアプリがあります。
これは時刻と場所を記録してくれるものです。
複数存在するみたいですが、こちらから「これを使ってください」とおすすめできないのが残念です。
(私がアプリそのものを開発すればいいのですが、Javascript程度しか組めないため膨大なお時間をいただければあるいは)
選ぶ基準として、GPS記録を管理するサーバーがあり、利用者がデータを改変できないような仕組みをもつものを挙げさせていただきます。
残業代などを請求しようと考えている場合には、日々の証拠集めを怠らないように心がけましょう。
時効の壁
労働基準法
第百十五条 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する
残業代を含む未払い賃金は、請求できるときから2年で時効となってしまいます。
つまり、例外的な場合を除いて過去2年分しか遡れないということです。
(退職金については5年と規定されています)
たとえば転職してから請求しようにも、時効によって請求する権利が消えてしまっていては意味がありません。
まとめ
日々の証拠集めが大切です。
できるだけ客観的なものが好ましいのですが、日記をつけるということも無駄ではありません。
もしも未払いの残業代などを請求しようと考えていらっしゃる場合は、お早めに司法書士または弁護士にご相談ください。
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