お布施と値下げ要求

生活

そろそろ涼しくなるかなと思っていたのですが、そんな気配を感じない坂口です。こんにちは。

お布施を安くして欲しい

インターネット上にはさまざまな情報があります。
いわゆる平均的な金額(相場)がどの程度なのか調べる癖をつけておくことはとても大切ですが、特別な事情などによって金額が変わってくることもよくあることです。

お布施についての問題もインターネットなどでときどき目にしていますが、安くしてもらうことは可能なのでしょうか。
また、お寺さんとしてはそれに応じなければならないのでしょうか。

お布施を強制することはできるのか

お布施の額というのは相場があってないようなものです。
だからこそ、相場がわからない怖さもあるために調べる方もいらっしゃるかと思います。

そもそも布施というものは住職が供養した対価と考えるのか、信仰心上のものであるのかで変わってきます。
宗派の教義や慣行などそれぞれの考え方があるので、一概には言えません。
基本的には話し合いで解決するということになります。

贈与契約?

事前にお布施の額について合意することはできるので、こういった合意をしたときは贈与契約を結んだとして、支払いを強制することは可能です。

しかし、書面で契約を結んでいない、いわゆる口約束の場合はいつでも贈与を撤回できると民法に定められているので、書面がないときには支払ってくれと強制することは難しく、強制されたとしても撤回すれば済んでしまうということになります。

話合いの着地点

住職としては値下げに応じたくないでしょうし、お布施を渡す側としては払わないわけではないけれども、相応の額にしたいと思うものです。

プライバシーの問題もあるので檀家さんを特定できないように注意しつつ、過去の布施額や特別な事情があるときはそのことについても触れるようにして、根拠をしっかり話し合いましょう。

書面の差し入れ

檀家総会や護持会などを通して、トラブルを防止するためにお布施の額などが書かれた書面を葬儀前などにやりとりするといった運用を行うことも可能です。
もちろん、お寺さんとしてはお布施の性質を考えると実行しにくいと思いますが、事後的にトラブルとなってしまったときのことを考えると、検討してみる価値はあると思いますし、布施の額というものも含めてお寺の運営が透明であるということから、檀徒さんからも賛同いただけるかと思います。