入学金や授業料は返してもらえるのか

2020年1月28日生活

大学受験の直前期とはいつ頃からなのでしょうか。
自分が大学生だったのが何年前なのかを考えると少々悲しくなる坂口です、こんばんは。

入学辞退と入学金・授業料の返還

複数の大学に合格したときはその中から通いたいところを決めて、他は辞退することになります。
しかし、合格通知を受け取ったときに入学金や授業料を納めていることが一般的ではありますが、辞退した大学に納めたお金は戻ってくるのでしょうか?

納付したお金の性質

納めるお金は主に「入学金」「授業料など」「諸会費」などがあります。

入学金

合格者が入学することができるという地位と引換えという考え方になります。

授業料など

授業料だけではなく実習費(実験なども)や施設の利用料なども含まれます。
大学側が授業などを提供するかわりに納めるお金です。

諸会費

自治会費など、学生生活に伴って必要となる費用です。

不返還特約の有効性

合格者が大学を選択するという自由な意思決定を必要以上に制約しているというわけではないので、公序良俗違反とはなりません。
しかし大学も学校法人で学生は消費者ということになるため、消費者契約法が適用されることになります。

(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
二 (略)

色々と書いてありますが、要するに平均的損害の額を超える部分については無効という扱いです。
具体的には時期に応じて区分されることになります。

3月中に入学辞退をした場合

大学としては一定数の辞退者を想定して合格者を決めています。
そして3月中に辞退しているということは、入学して大学の教育を受けるという可能性はまずありえないということから、大学には平均的な損害はないという判断となります。

入学金については入学することができる権利と引換えである以上、返還しないという特約は有効となりますが、授業料などや諸会費については無効扱いになるため、返してもらうことができます。

4月1日以降に辞退した場合

大学は年度単位で予算を組んでいるということもあり、原則として初年度に納める必要のある金額については返してもらうことはできません。

専願入試だったとき

いわゆる専願入試とは、第一希望であって合格したら入学することを前提としているものです。
時期が早かったり、多少基準点が甘くなったりしていることもあり、合格すれば大学に入学するという約束のもとで行われている関係上、たとえ3月中に辞退したとしても原則として授業料などや諸会費を返してもらうことはできません。